日本国内のカフェ業界の動向について調べてみました。
前回の記事「国内カフェ業界の動向(1/2)」も合わせてご覧ください。
この記事のもくじ
国内カフェランキング
店舗数で見てみると、単独ではスターバックスがドトールコーヒーショップを抜き2015年よりトップを独走中です。ただドトール系(ドトールコーヒーショップ、エクセルシオールカフェ、星乃珈琲店)を合わせると2019年までは首位を守っていました。スターバックスの成長率を見ると2020年にはスターバックスが抜きそうです。
売上高を見てみるとスターバックスコーヒージャパンの売上高は順調に伸びてきていますが、2位以下の売上高の伸び率はほぼ横ばいとなっています。
なお、下のグラフ中のサンマルクホールディングスの売上高に関してはカフェ事業に加えてレストラン事業も含まれております。カフェ事業単体でみると2019年度決算資料からは314億円程度の売上になっていますのでコメダ珈琲とほぼ同等規模と言えるでしょう。
売上高を営業利益額で割った営業利益率を見ていると、興味深いことにコメダホールディングスの利益率は1位のスターバックスコーヒージャパンを含めた他社の2倍~3倍もあります。サンマルクは売上も落としていますし、営業利益率の低下は気になるところです。
さて、なんでコメダ珈琲がこんなに利益率が高いのでしょうか?それは彼らの事業戦略が他と違うからです。有価証券報告書を見てみましょう。
ご覧のとおりですが、特徴は以下2点です。
コメダホールディングスの特徴
- フランチャイズ展開が主力。自分たちで資産を持っていない
- 競合の少ない郊外を中心に店舗を展開
グローバルの市場分析については次の記事「世界のカフェ業界の動向」をご覧ください。
サードウェーブコーヒーとは
さて今まで示してきたグラフからは分かりませんが、ドトール・日レスホールディングス傘下の日本レストランシステムグループが運営する星乃珈琲店が店舗数、売上高ともに伸びています。
これは現在サードウェーブコーヒーと言われる新しいトレンドが来ているからです。
19世紀後半から1960年代における、インスタントコーヒーなどの普及により急速に家庭に広まったファーストウェーブ、1960年代から2000年頃にかけてのスターバックスなどのシアトル系コーヒーに代表されるコーヒーの風味を重視するセカンドウェーブに次ぐ、コーヒー本来の価値を重視する第3のコーヒーの流行を指す
https://ja.wikipedia.org/wiki/サードウェーブコーヒー より
- 銀座ルノアールに代表される昭和レトロ喫茶店 →
- ドトールに代表される「さっと飲むスタイル」→
- スターバックスに代表される「シアトル系カフェ」の台頭 →
- バリスタにより厳選された豆を用いたこだわりのコーヒー
とまた原点回帰しているようです。
背景には競争の激化があげられます。
セブンカフェに代表されるコンビニコーヒー、ペットボトルコーヒー飲料の成長、ファーストフード店でもMac Cafe等環境は激化するばかりです。
参考情報
特別企画: 喫茶店・カフェ経営業者 1180 社の経営実態調査 − 帝国データバンク -
参考グラフ
一応利益額についても作成しましたので参考までに追加しておきます。